こんにちは。Rich and Green Life 運営者の「Ryu」です。
ふと部屋を見渡したとき、家具は揃っているのになんだか天井付近がぽっかり空いていて、空間全体が殺風景に感じることってありませんか。あるいは、おしゃれなカフェやインテリアショップで見かける、天井から緑が降り注ぐようなあの素敵な空間に憧れつつも、「うちは賃貸だからフックなんて付けられないし…」「高い場所に植物を吊るしたら、水やりが大変すぎて枯らしてしまうんじゃないか」と、二の足を踏んでしまっている方も多いのではないでしょうか。
実は私も、最初はそうでした。脚立を持ってくるのが面倒で、つい水やりを後回しにしてしまったり、どの子が日陰に強いのかわからずに枯らしてしまったり。

でも、植物の選び方とちょっとした「吊るすための道具」や「管理のコツ」さえ知ってしまえば、床のスペースを一切使わずに、部屋を森のような没入感のある空間に変えることは驚くほど簡単なんです。
この記事では、植物の進化の秘密から、2026年の最新インテリアトレンド、そしてペットと暮らすための安全性まで、あなたが「垂れ下がる植物」との暮らしを最高に楽しむための情報を余すことなくお伝えします。
- 初心者でも失敗しにくい丈夫でおしゃれなハンギング品種
- ペットとの暮らしを守るための植物の毒性と安全性リスト
- 高い位置にある植物の水やりを劇的に楽にする便利グッズ
- 伸びてスカスカになった株を復活させるプロ直伝の裏技
観葉植物で垂れ下がるタイプの人気品種と選び方
「垂れ下がる植物」と一口に言っても、その種類は多岐にわたります。つる性のもの、着生して垂れ下がるもの、あるいは重力に従って枝垂れるもの。なんとなく「見た目が好みだから」という理由だけで選んでしまうと、部屋の環境に合わずにすぐに弱ってしまうことも少なくありません。彼らがなぜ垂れ下がっているのか、その自生地でのルーツや進化の背景を知ることで、あなたのライフスタイルや部屋の環境にぴったりの「一生の相棒」が見つかりやすくなります。ここでは、育てやすさ、耐陰性、そして安全性といった視点から、プロも推奨するおすすめの品種を深掘りしてご紹介していきます。

初心者でも育てやすいおしゃれなハンギング品種
初めてハンギングプランツに挑戦する方にとって、最大の不安要素は「枯らしてしまわないか」ということではないでしょうか。天井や壁の高い位置にある植物は、どうしても目線から外れがちで、日々の変化に気づきにくいものです。だからこそ、最初のパートナーには、少しくらい水やりを忘れてもビクともしない、強靭な生命力を持った品種を選ぶことが成功への近道です。
まず、私が自信を持っておすすめするのが「オリヅルラン(Spider Plant)」です。この植物の最大の特徴は、土の中に隠された根っこにあります。鉢から抜いてみるとよくわかるのですが、根の一部が白く太いイモ状(塊根)になっていて、そこにたっぷりと水分と栄養を蓄えているんです。これは、自生地であるアフリカなどの乾燥した環境でも生き抜くための進化の結果です。この天然の貯水タンクのおかげで、忙しくてつい数日水やりを忘れてしまったとしても、すぐに枯れることはありません。
さらに、オリヅルランは成長すると「ランナー」と呼ばれる長い茎を伸ばし、その先に小さな子株をたくさんつけます。その姿が空中に浮かぶ折り鶴や、シャンデリアのように見え、空間に軽やかなリズムを生み出してくれます。子株は簡単に切り取って水に挿しておくだけで増えるので、育てる楽しみも倍増しますよ。
次に外せないのが、観葉植物の王様とも言える「ポトス(Epipremnum aureum)」です。別名「悪魔のツタ」とも呼ばれるこの植物は、その名の通り、驚異的な生命力を持っています。暗がりでも育ち、切っても切っても新しい芽を出す再生力の強さは、初心者にとって何よりの安心材料でしょう。一昔前までは「ポトス=ありふれた植物」というイメージがありましたが、最近は品種改良が進み、インテリア性の高い美しい品種が登場しています。
例えば、白い斑が雪のように広がる「マーブルクイーン」や、鮮やかなライムグリーンが部屋を明るくする「ライム」、そして濃淡のある緑の迷彩柄がシックでかっこいい「グローバルグリーン」など、選ぶ品種によって部屋の雰囲気をガラリと変えることができます。これらは全て育てやすさは変わらないので、自分の部屋のテイストに合わせて選んでみてください。
日陰に強い耐陰性のある種類で室内を飾る
日本の住宅事情、特に都心のマンションなどでは、「日当たりが良い場所に植物を置きたいけれど、そこにはもうスペースがない」「北向きの部屋や、窓のない洗面所にも緑を飾りたい」という悩みをよく耳にします。しかし、諦める必要はありません。実は、垂れ下がる植物の多くは、直射日光がガンガン当たる場所よりも、木漏れ日程度の日陰を好む性質を持っているからです。
彼らの多くは、熱帯雨林の樹木の上や岩肌に根を張って生きる「着生植物(Epiphytes)」というグループに属しています。ジャングルの鬱蒼とした森の中では、地面にはほとんど光が届きません。そのため、彼らは光を求めて木の上に登り、高い場所から垂れ下がることで効率よく光合成を行っているのです。つまり、彼らにとって「柔らかな間接光」や「半日陰」こそが、最もリラックスできる本来の環境なのです。

代表的なのが、近年爆発的な人気を誇る「ビカクシダ(コウモリラン)」です。貯水葉と胞子葉という異なる形の葉を持つこの植物は、もともと木の幹に着生して生きています。そのため、直射日光に当てると葉焼けを起こしやすく、むしろレースのカーテン越しの光や、明るい日陰のほうが美しく育ちます。壁掛けにして飾れば、まるでアート作品のような存在感を放ちます。
また、蝋細工のような美しい花を咲かせる「ホヤ(サクララン)」や、サボテンの仲間でありながら森林に生息する「リプサリス」もおすすめです。これらは多肉質な葉や茎に水分を蓄えているため、乾燥にも強く、日当たりの悪い場所でも徒長(ひょろひょろと伸びること)しにくい性質を持っています。
さらに、2026年のインテリアトレンドとしては、植物育成用LEDライトをスポットライトのように活用するスタイルが定着しています。窓が全くないトイレや玄関でも、適切な波長を含んだLEDライトを一日8時間ほど当ててあげるだけで、これらの植物は驚くほど元気に育ちます。「うちは暗いから」と諦めていたコーナーこそ、垂れ下がる植物と照明を組み合わせて、秘密基地のような没入感のある空間を作ってみてはいかがでしょうか。
Ryuのワンポイント
日陰でも育つとはいえ、全く光がないと植物は弱ってしまいます。耐陰性が強い植物でも、時には明るい場所に移動させたり、育成ライトを活用したりすることが長期的に楽しむコツです。暗い部屋での具体的な管理方法やおすすめの品種については、観葉植物は暗い部屋でも育つ?最強の耐陰性品種と管理のコツの記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
猫がいても安心な安全性の高い植物リスト
ペット、特に好奇心旺盛な猫ちゃんがいるご家庭にとって、植物選びは単なるインテリアの問題ではなく、家族の命を守るための重要なミッションです。猫は揺れるものに本能的に反応しますし、私たちが届かないと思うような高い場所にも軽々と登ってしまいます。ハンギングプランツであっても、「絶対に届かない」という保証はありません。万が一、落下した葉っぱを食べてしまったり、垂れ下がったツルをかじってしまったりしたときに、中毒を起こしてしまう植物は意外と多いのです。
特に、先ほど紹介した「ポトス」や「アイビー」といった人気の植物は、残念ながら猫にとっては危険な植物に分類されます。これらは体内に「シュウ酸カルシウム」という針状の結晶を含んでおり、噛むと口の中に激痛が走ったり、嘔吐や呼吸困難を引き起こしたりする可能性があります。
そこで、ASPCA(アメリカ動物虐待防止協会)の公開しているデータなどを基に、猫ちゃんがいても安心して飾れる植物(Non-Toxic)と、取り扱いに厳重な注意が必要な植物(Toxic)をリストにまとめました。愛猫家の方は、ぜひこのリストを保存版として活用してください。

| 植物名 | 安全性(ASPCA基準) | Ryuのメモ・詳細 |
|---|---|---|
| オリヅルラン (Spider Plant) | 安全(Non-Toxic) | 毒性はありませんが、猫にとってはマタタビのような軽い幻覚作用があるとも言われ、好んで食べてしまう子がいます。無害ですが、食べ過ぎによる嘔吐には注意が必要です。 |
| ペペロミア (Peperomia) | 安全(Non-Toxic) | 種類が非常に豊富で、垂れ下がる品種も多いペペロミアは、完全に無毒で安全です。葉の質感や形も多様なので、猫オーナーにとって最強の選択肢と言えます。 |
| ビカクシダ (Staghorn Fern) | 安全(Non-Toxic) | コウモリランなどの着生シダ類は基本的に安全です。独特のフォルムが魅力ですが、猫の手が届かない場所にしっかり固定しましょう。 |
| エスキナンサス (Lipstick Plant) | 安全(Non-Toxic) | 赤い筒状の花を咲かせる美しい植物ですが、こちらもペットには無害です。彩りが欲しい場合におすすめです。 |
| ポトス (Pothos / Devil’s Ivy) | 有毒(Toxic) | 不溶性シュウ酸カルシウムを含みます。口内の激痛、過剰なよだれ、嘔吐を引き起こします。猫がいる空間には置かないのが無難です。 |
| アイビー (English Ivy) | 有毒(Toxic) | サポニンを含み、ポトスよりも毒性が強い場合があります。激しい嘔吐や下痢の原因となるため、避けるべき植物の一つです。 |
| グリーンネックレス (String of Pearls) | 有毒(Toxic) | 形状が猫のおもちゃに見えやすく、誤食事故が多い植物です。嘔吐や無気力状態を引き起こす可能性があるため、徹底した管理が必要です。 |
重要な注意点
ASPCAのリストで「Non-Toxic(無毒)」とされていても、絶対に安全とは言い切れません。人間と同じで、個体によっては特定のアレルギーを持っていたり、植物繊維を消化できずに胃腸を壊したりすることもあります。新しい植物を迎え入れる際は、必ず獣医師等の専門家が発信している情報(出典:ASPCA Toxic and Non-Toxic Plants List)を確認し、最初のうちはペットの様子を慎重に観察するようにしてください。
窓を持つ多肉植物グリーンネックレスの秘密
インテリアショップやInstagramで大人気の「グリーンネックレス」。緑色の真ん丸な粒が数珠つなぎになって垂れ下がる姿は、他にはない可愛らしさがありますよね。でも、ちょっと立ち止まって考えてみてください。なぜ彼らは、あのような奇妙な「球体」の形をしているのでしょうか?実はそこには、過酷な環境を生き抜くための、驚くべき植物学的な戦略が隠されているのです。
彼らの故郷は、南アフリカの乾燥地帯です。水が極端に少ない環境において、植物にとって最大の敵は「乾燥」です。体内の水分を蒸発させないためには、空気に触れる表面積をできるだけ小さくする必要があります。数学的に、同じ体積で最も表面積が小さくなる形、それが「球体」なのです。つまり、あのコロコロとした形は、ただ可愛いからではなく、貴重な水分を守るために極限まで無駄を削ぎ落とした結果の姿なんですね。
しかし、球体になることには大きなデメリットもあります。それは「光合成をするための面積が減ってしまう」ということです。平らな葉っぱなら太陽の光をたっぷり浴びられますが、球体だと光が当たる部分が限られてしまいます。このジレンマを解決するために彼らが発明したのが、「窓(Epidermal Window)」と呼ばれる器官です。
お手元のグリーンネックレス、あるいはお店で見かけたときに、粒をじっくり観察してみてください。球体の一部に、スーッと一本の透明な筋が入っているのが見えるはずです。これが「窓」です。この透明な組織は、光ファイバーのような役割を果たしています。ここから太陽の光をレンズのように集め、体の奥深くにある葉緑体へと光を導いているのです。これにより、彼らは水分の蒸発を防ぎながら、同時に十分な光合成を行うことに成功しました。
もしあなたがグリーンネックレスを育てていて、「葉っぱに傷が入っている!」と焦ったとしても、心配しないでください。それは傷ではなく、彼らが砂漠で生きるために進化させた、高性能な「天窓」なのです。また、彼らが球体であるということは、それだけ内部に水分を溜め込んでいる証拠でもあります。そのため、グリーンネックレスを育てる際は、他の観葉植物以上に「水のやりすぎ」に注意し、土が完全に乾いてから水を与える「乾燥気味」の管理を徹底することが、プリプリの姿を保つ秘訣です。
風水効果も期待できるポトスやアイビーの魅力
観葉植物を飾る目的は、インテリアをおしゃれにすることだけではありません。「なんとなく部屋の空気が良くなった気がする」「見ているだけで心が落ち着く」といった感覚を持ったことはありませんか?実はこれ、気の持ちようだけではなく、風水的な意味合いや科学的な裏付けも存在します。
風水の基本的な考え方では、植物の「葉の形」と「成長する向き」によって、その場の「気」に与える影響が変わるとされています。一般的に、パキラやサンスベリアのように上へ上へと鋭く伸びる植物は「陽」の気を持ち、活力を与えたり邪気を払ったりする効果があると言われています。
対照的に、今回ご紹介しているポトスやアイビー、グリーンネックレスといった垂れ下がるタイプの植物は、「陰」の性質を持っているとされます。「陰」というとネガティブなイメージを持つかもしれませんが、風水においてこれは「鎮静」「リラックス」「優しさ」を意味します。上から下へと流れるようなエネルギーは、高ぶった感情を鎮め、荒立った気を穏やかに整えてくれる効果が期待できるのです。リビングのソファの近くや寝室など、リラックスしたい場所に吊るすことで、家全体が安らぎの空間へと変わっていくでしょう。
また、風水だけでなく、科学的な視点からも植物の効果は注目されています。1989年に行われたNASA(アメリカ航空宇宙局)の有名な研究「NASA Clean Air Study」では、ポトスやアイビー、オリヅルランといった植物が、密閉された空間においてホルムアルデヒドやベンゼンといった揮発性有機化合物(VOC)を吸着・除去する能力を持つことが示唆されました。
もちろん、これは実験室環境でのデータであり、一般的な住宅で空気清浄機と同等の効果を期待するのは難しいですが、微量ながらも有害物質を減らし、蒸散作用によって適度な湿度を保ってくれることは事実です。特に部屋の四隅は、風水的に気が淀みやすく、物理的にもホコリが溜まりやすい場所(デッドスペース)です。そうした場所に「垂れ下がる植物」を配置することで、邪気払いとしての効果と、空気の浄化というダブルのメリットを享受できるかもしれません。
観葉植物の垂れ下がるタイプを枯らさない育て方

「吊るす植物はおしゃれだけど、管理が面倒くさそう」と感じている方も多いかもしれません。確かに、高い場所に脚立を持ってきて水やりをするのは重労働ですし、床に水が垂れるのを防ぐのも一苦労です。しかし、プロや慣れている人は、決して無理な努力をしているわけではありません。ちょっとした「道具選び」と「管理のコツ」を知っているだけで、ハンギングプランツの世話は劇的に楽になります。ここでは、長く美しく楽しむための実践的なテクニックをご紹介します。
賃貸でもダクトレールで吊るすインテリア術
「うちは賃貸だから、天井に穴を開けてフックを付けるなんて絶対に無理」と諦めていませんか?そんな方にこそ強くおすすめしたいのが、「ダクトレール(ライティングレール)」を活用した展示方法です。
ダクトレールとは、本来はスポットライトなどの照明を取り付けるためのバー状の器具ですが、ここに専用の吊り下げフックを取り付けることで、植物を自由に配置できる最強のディスプレイツールに変身します。最近では、天井にもともと付いている「引掛シーリング(照明用のカチッとはめるプラグ)」に、工事不要で簡単に取り付けられる「簡易取付式ダクトレール」が数千円程度で販売されています。これを使えば、天井や壁を一切傷つけることなく、カフェのようなおしゃれな空間を作り出すことができるのです。
さらに、2026年のインテリアトレンドである「ソフト・ゾーニング」という手法にも、このダクトレールは最適です。ソフト・ゾーニングとは、壁やパーテーションで部屋を完全に区切るのではなく、植物や光を使って緩やかに空間を仕切る考え方です。
例えば、リビングのくつろぎスペースと、在宅ワーク用のデスクスペースの間にレールを通し、ポトスやシッサス、ホヤなどを一列に並べて吊るします。高さをランダムに変えることで、視線を程よく遮る「緑のカーテン」が出来上がります。圧迫感を出すことなく、それでいて集中できる環境を作れるこの方法は、ワンルームや狭いお部屋でこそ真価を発揮します。詳しい取り付け方やおしゃれなレイアウト例については、観葉植物を天井から吊るす方法!賃貸でもできるおしゃれな飾り方の記事で写真付きで紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
高い場所の水やりを楽にする便利グッズの活用
ハンギングプランツを枯らしてしまう最大の原因、それは技術不足ではなく、ズバリ「水やりが億劫になること」です。高い位置にある鉢を毎回脚立を使って下ろし、シンクまで運んで水をやり、水が切れるのを待ってまた吊るす……。忙しい毎日の中で、これを繰り返すのは正直しんどいですよね。そのうち「明日でいいか」となり、気づけばカラカラに枯れていた、という経験は誰にでもあるはずです。
そこで、私が全てのハンギングユーザーにおすすめしている秘密兵器が「スクイズボトル(洗浄瓶)」です。これは本来、理科の実験などで使われる道具で、柔らかいプラスチックのボトルから細く曲がったノズルが伸びているものです。見た目は地味ですが、これがあると水やりの世界が変わります。
スクイズボトルのすごいところ
- 脚立いらず: ノズルが長く曲がっているため、背伸びをして下から手を伸ばすだけで、高い位置にある鉢の土にピンポイントで水を注げます。
- 水漏れ防止: ジョウロのように勢いよく水が出ないので、土が跳ね返ったり、鉢の縁から水が溢れて床を濡らしたりする事故を防げます。
- 葉を濡らさない: 葉の隙間を縫って土だけに給水できるので、室内で葉水を避けたい場合にも便利です。
このボトルを使えば、鉢を吊るしたままサッと水やりが完了します。「鉢皿に溜まった水はどうするの?」という疑問があるかもしれませんが、私は「水やりの量をコントロールする」ことで解決しています。鉢底からボタボタ垂れるほどあげるのではなく、土全体が湿る程度の量を数回に分けて与える、あるいは、鉢カバーの中に溜まった水はスポイトで吸い出す、といった方法で管理しています。道具一つで毎日のハードルを極限まで下げることが、植物と長く付き合う一番のコツです。
伸びすぎたツルを切らずに増やすプロの技
ポトスやフィロデンドロンなどを長く育てていると、どうしても直面するのが「ハゲ上がり(Leggy)」問題です。植物には「頂芽優勢(ちょうがゆうせい)」といって、先端の芽に優先的に栄養を送る性質があります。そのため、ツルが伸びれば伸びるほど先端は元気になりますが、土に近い株元の古い葉は落ちてしまい、鉢の周りがスカスカのみすぼらしい状態になってしまうのです。
そんな時、多くの人は「切り戻し(剪定)」をして仕立て直そうとしますが、せっかく伸びたツルを切るのはもったいないですよね。そこで私がおすすめするプロのテクニックが「ヘアピン・トリック」です。これは、伸びたツルを切らずに、そのままボリュームアップに利用する方法です。
ヘアピン・トリックの手順
- だらんと長く伸びたツルを、切らずに持ち上げます。
- そのツルをくるっとUターンさせて、土の表面(ハゲてしまっている部分)に這わせます。
- ツルの途中にある「節(ふし=葉が生えている付け根の膨らんだ部分)」が、しっかりと土に密着するように配置します。
- その節の部分を、U字型のピン(ヘアピンや、園芸用のフローラルピン、あるいは針金を曲げたもの)で土に固定します。
たったこれだけです。実は、着生植物の「節」は、土や湿ったものに触れると、そこから新しい根(気根)を出し、定着しようとする性質があります。そして根が張ると、そこから新しい脇芽が立ち上がってくるのです。

つまり、この方法を使えば、リスクのある挿し木をしなくても、親株からの栄養供給を受けながら安全に発根させ、株元のボリュームを復活させることができるのです。数ヶ月後には、驚くほどフサフサの株に生まれ変わりますよ。
枯れない環境を作る土選びと風通しの管理
最後に、ハンギングプランツを枯らさないための環境づくりについてお話しします。吊るす植物にとって、「土の重さ」と「通気性」は生死を分ける重要な要素です。
普通の園芸用培養土は、水を含むとかなりの重さになります。これはフックやレールへの負担になるだけでなく、万が一落下した際の危険性も高まります。また、天井付近は暖かく湿った空気が溜まりやすく、重たい土だといつまでも乾かずに「根腐れ」を起こす原因になります。
そこでおすすめなのが、「ベラボン(ヤシの実チップ)」や「バークチップ」を主体とした用土、あるいはパーライトを多めに配合した軽量な土です。特にベラボンは、軽量で空気をたくさん含むため、着生植物の根にとって理想的な環境を作ってくれます。彼らはもともと土の中ではなく、木の皮や岩の隙間に根を張っていたので、フカフカした粗い用土のほうが根が呼吸しやすく、健康に育つのです。
そして、もう一つ忘れてはいけないのが「風」です。植物は風がないと蒸散作用がうまく働かず、体調を崩してしまいます。特に部屋の隅や高い場所は空気が淀みがちです。サーキュレーターを使って部屋の空気を循環させ、植物の葉がわずかに揺れる程度のそよ風を常に送ってあげてください。風通しを良くすることは、カイガラムシやハダニといった害虫の予防にも絶大な効果があります。詳しい風の当て方については、観葉植物の風通し改善ガイド!室内での重要性と育て方のコツの記事でも解説していますので、併せて読んでみてください。
観葉植物の垂れ下がるタイプで理想の部屋を実現
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
観葉植物の垂れ下がるタイプは、単なるインテリアの飾りではありません。彼らの「上から優しく見守ってくれるような存在感」は、床に置く植物とはまた違った、不思議な安心感と没入感を部屋にもたらしてくれます。視線が自然と上に誘導されることで、天井が高く感じられ、部屋全体が広く見える効果もあります。
最初は小さなポトス一つ、オリヅルラン一つからで構いません。今回ご紹介した品種の選び方や、スクイズボトルなどの便利グッズ、そしてちょっとした管理のコツを参考に、ぜひあなたのペースで、緑に包まれる暮らしを始めてみてください。きっと、仕事から帰ってきてドアを開けた瞬間、「ああ、いい部屋だな」と心から思える、あなただけの素敵な空間が待っているはずです。

※本記事で紹介した植物の効果や毒性に関する情報は、一般的なデータに基づいています。ペットの種類や体質によっては反応が異なる場合がありますので、導入の際は獣医師等の専門家にご相談されることを強くおすすめします。

